聴衆に理解されやすいようにという配慮がうかがえるものの、米国の有力地方紙「ボストン・グローブ」(電子版)は同様の分析をしつつ、大統領の一般教書演説のレベルが下がっているなどとして、「このままでは漫画レベルになる」とする専門家の警告を紹介している。
一方、「演説の名手」オバマ氏が大統領に就任した8年前に演説本ブームに沸いた日本の出版業界。
当選決定直後の2008年11月に「オバマ演説集」(CD付き)を出版、60万部の大ヒットを飛ばした「朝日出版社」の山本雄三・第3編集部長は「だらだら言いたいことを言っている印象」と、トランプ氏を酷評。「人の心に届く演説の才能があるクリントン氏が大統領になれば」と出版を見据える。
逆に「ドナルド・トランプ演説集」を9月に出版した「晋遊舎」の山中進編集局長は、「売れるのはトランプ氏。(演説には)米国人の本音が詰まっている」と話す。ただ「(トランプ氏の英語は)早口で聞き取りにくく、心地良くない」とCDは付けていない。
(住井亨介)