【春闘】過去3年と異なる経済停滞の中、官製春闘4年目へ 

 平成29年春闘に向け、安倍晋三首相は16日にも開く「働き方改革実現会議」で経済界に賃上げを求める。政府が賃上げの旗振り役を務める「官製春闘」は4年目。過去3年、大企業は好業績を背景に賃上げを実現したが、中小企業や非正規労働者への波及は乏しかった。今期は円高などによる業績悪化で大企業も賃上げに後ろ向きだ。経済界は難しい判断を迫られている。

 安倍政権では25年と26年に「政労使会議」で賃上げを求め、27年は「官民対話」で経団連の榊原定征会長に要請。今回は9月に立ち上げたばかりの働き方会議で求める。榊原氏のほか、連合の神津里季生会長らも参加する。

 安倍首相は、デフレ脱却のためには賃上げが欠かせないと強調し、下請けとの取引価格の適正化など中小企業の賃上げ環境整備も求めるもようだ。

 連合は、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の統一要求を「2%程度を基準」とする方針を打ち出している。

 政権と労働組合が賃上げの必要性で一致する中、厳しい立場なのが経団連を中心とする経済界だ。

 上場企業の28年9月中間決算は最終利益が4年ぶりに減少する見通し。29年3月期予想も下方修正が相次ぐなど、過去最高益を更新してきたこれまでの3年間とは大きく異なる。経団連の会員企業からは「28年春闘と同じような賃上げは難しい」との嘆き節も聞かれる。かつてない厳しい官製春闘が本格化する。