物価2%延期も拍車
日銀は9月、世界初の試みとなる長期金利の誘導目標設定を決め、金融政策の軸足を「量」から「金利」に移した。その後、2%の物価上昇目標の達成時期を「2018年度ごろ」に延期し、総裁任期中の達成が難しくなったことも国会呼び出しの増加に拍車をかけた。
10月には米ワシントンでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議への出席を予定していた黒田総裁がぎりぎりまで参院予算委での質問に答え、飛行機に飛び乗るという出来事もあった。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「マイナス金利の弊害に対する認識が広がる中、長短金利操作が加わるなど、日銀の政策はどんどん分かりにくくなっている。2%の物価目標の達成が遅れていることがアベノミクスの行き詰まりを象徴する出来事として、野党によって取り上げやすくなっている」と指摘している。(米沢文)