国債増発の恐れ、歳出改革急務 17年度予算編成基本方針 (1/2ページ)


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 25日に示された2017年度予算編成の基本方針は、経済成長と財政健全化を両立する姿勢を示した。ただ安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた施策など歳出圧力は強い。企業業績の悪化で税収が減る恐れがある中、政権発足以降、4年連続で減らしてきた国債を増発して財源を賄う可能性も出ている。

 17年度予算の概算要求では、一般会計総額が101兆4707億円に上り、3年連続で100兆円の大台を突破。財務省は年末にかけた各省との折衝を通じ、5兆円前後の圧縮を目指す。

 だが高齢化で社会保障費の伸びは続き、1億総活躍関連では保育・介護の受け皿整備や返済不要の給付型奨学金の創設など歳出項目が並ぶ。成長戦略を支える人工知能(AI)などの研究開発費も求められる。

 一方、アベノミクスを背景に順調に増えていた税収には変調の兆しがみえる。年初からの円高や新興国経済の減速で、輸出企業を中心に業績が悪化し、16年4~9月期の税収は7年ぶりに前年を割り込んだ。

「17年度に税収が伸びるかは見通せない」(財務省幹部)