中古住宅流通へ官民タッグ 品質維持に補助金、空き家増歯止め (2/2ページ)

リフォームやインスペクションと呼ばれる住宅診断により中古住宅の品質を維持、流通活性化につなげる取り組みが進んでいる
リフォームやインスペクションと呼ばれる住宅診断により中古住宅の品質を維持、流通活性化につなげる取り組みが進んでいる【拡大】

 総務省によると、国内で流通する住宅のうち中古シェアは約15%で、70~90%程度の欧米と比べて低水準だ。中古住宅は割安の一方、地震の多い日本では耐久性が不安視されるほか、木造住宅は築20~25年で市場価値がほぼゼロとなる商慣習があり、購入希望者が二の足を踏む。人口減少で世帯数が縮小すれば、人が住まない空き家となる中古住宅が増え、倒壊などの防災上の危険のほか治安、衛生面での不安も出てくる。

 国交省の事業は中古住宅流通の足かせだった品質への不安払拭に加え、購入後の補償や資産価値の保全をセットにしたもの。さくら事務所の長嶋修不動産コンサルタントは「中古住宅に対する漠然とした不安を解消するメニューがそろっている」と評価する。

 市場拡大に課題も

 ただ中古住宅の市場拡大には課題もある。事業の協議会に参加する大手ハウスメーカーはごく一部で、金融商品開発もメガバンクではなく地方銀行や信用金庫が中心と広がりは限定的。金融商品開発の前提となる評価基準作りも道半ばで、有志の会合では「地域ごとに評価の傾向が違う」などの意見が出された。

 “商品不足”も課題だ。これまでの資産価値の低評価が尾を引き、住んでいる住宅の品質を維持しようという意識は低い。十分な耐震性能も含めた市場価値のある空き家は全体の15%程度だ。国交省の担当者は「中古住宅市場の拡大には結局、『家は手入れすれば資産になる』という認識の浸透が欠かせない」と、息の長い取り組みが必要としている。(佐久間修志)