
6日、北京市内の映画感に設置された映画「君の名は。」の広告幕(西見由章撮影)【拡大】
近年急拡大してきた中国の映画市場が頭打ちの様相を呈していることも、収益力の高い日本アニメへの期待につながっている。習近平政権は中国のソフトパワー強化のために映画産業を重視。国内の15年の興行総収入は前年比5割増の約440億万元と日本の4倍の市場規模に達し、17年には米国を抜いて世界一になるとの予想もあった。だが16年の実績は11月にようやく400億円に達するなど減速傾向が鮮明だ。
ただ日本映画の中国市場への進出が今後も順調に進むかは不透明だ。日本のTHAAD導入検討の動きが報じられた11月下旬以降、中国側は「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を口実に、いかなる国が地域の安定を損なうことにも反対する」(楊宇軍国防省報道官)と連日牽制(けんせい)し、中国メディアの中には核戦力の増強論すら出ている。
韓国の聯合ニュースは、自国の芸能産業が中国側の「禁韓令」によって打撃を受けたと分析する一方、日本のTHAAD配備が本格化した場合は「韓国に劣らぬ被害を受ける可能性がある」と予想している。