【来年度税制改正】暮らしどうなる 主婦や子育て世帯働きやすく 第3のビールは増税で値上げ、ワインも (2/2ページ)

29年度税制改正項目
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 一方、夫の年収が1220万円を超えると控除が全くなくなり、夫の年収が1500万円の専業主婦世帯では年15万8千円の増税になると試算されている。

 働く意欲があっても保育所に子供を預けられないという女性も少なくない。そこで、企業主導型と呼ばれる認可外の保育所の土地や建物にかかる固定資産税と都市計画税を半減し、保育所をつくりやすくする。

 「最近売れ筋の日本酒が安くなるのはうれしいが、増税の商品が多くて悩ましいね」。都内で酒販店を営む男性(67)は苦笑する。

 ビール類ではビールの税額が減税になり、発泡酒や第3のビールは増税になる。同じ醸造酒である日本酒は減税、ワインは増税して税額を統一する。チューハイは増税される。「庶民いじめ」との見方もあるが、消費者の嗜好(しこう)を変える可能性もある。

 自動車は、燃費の良い車に対する優遇措置の基準が厳しくなり、大きめの車に乗っている人は車検時に払う「自動車重量税」などが増税になる。トヨタ自動車「アルファード」や日産自動車「エクストレイル」の一部などは減税対象から外れる見込みだ。

 住宅分野では、20階建て以上のタワーマンションにかかる固定資産税が、高層階は増税、低層階は減税になり、40階建てなら最上階の固定資産税は1階より10%程度高くなる。

 適用されるタワマンは、30年以降に引き渡す新築物件からだ。今年夏に都内で41階建てのタワマンの31階の部屋を購入した男性会社員(31)は「一瞬ひやっとしたが、間に合ってよかった」と胸をなで下ろす。