内閣府が国際基準に沿って見直した2015年度の名目GDP確報値は、安倍政権が目標として掲げる名目GDP600兆円にやや近づいた形だ。内閣府は新基準の採用に合わせ、GDPを過去22年分にさかのぼって改定した。16年7~9月期の実質GDPは速報値に比べ下方修正されたが、内閣府は「基準改定による影響は分からない」と説明している。
計算方法の見直しは、統計の精度向上が目的だ。今回、約5年に1回実施している基準改定や、統計の基礎となる産業連関表の切り替えも行った。GDPは一定期間に国内でつくり出されたモノやサービスの付加価値の合計額だ。計算方法は国連が定める国際基準を基に各国が決めている。今回の見直しは国際基準が08年に刷新されたことに対応したもので、日本では16年ぶりの大幅改定になる。
もっとも大きな変更点は、これまで費用とされてきた研究開発費が付加価値を生む投資と認められ、GDPに加えるようになったことだ。名目GDPへの上乗せ効果は研究開発費だけで19兆2000億円あった。この他に、特許使用料や不動産の仲介手数料、防衛装備品なども加算された。