日銀短観 トランプ効果・リスクが混在 先行きは慎重姿勢強まる (3/3ページ)

 ■円安でも国内消費振るわず

 SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストの話

 円安進行で業績改善が見込める機械関連の企業を中心に景況感の改善が目立った一方、円安の恩恵を受けにくい小売業などは依然慎重な姿勢だ。足元の円安は明るい材料だが、国内消費の回復には不透明感があり、業績を厳しめに見通す企業は多いだろう。トランプ次期米大統領の政策に対する期待が高まっている半面、懸念もくすぶり、先行きを楽観的に捉えるわけにはいかない。トランプ政権で米企業が税制面で優遇されるといった政策が取られれば、日本の貿易にマイナスとなり得る。日本企業の警戒感は根強く、設備投資計画も下方修正率が大きかった。

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 ■今後も世界経済に不透明感

 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストの話

 今回の短観は、最近の円安進行や資源価格の回復による企業心理の改善と、世界経済の先行きへの不安が混在している印象だ。景況感が改善したのは素材系の業種が目立った。米国経済が好調なのに加え、中国経済に回復の兆しが見られることが背景にある。一方、小売業が弱く、個人消費の伸び悩みや、訪日外国人による消費の低迷が気がかりだ。トランプ次期米大統領の政策や、欧州で予定されている選挙の行方など今後も世界経済には不透明感が強い。多くの業種で先行きの景況感が悪化したのは、企業経営者が抱えている不安な心理を反映したといえる。