経団連の榊原定征会長は19日の定例会見で、来春闘の経営側方針は「年収ベースでの賃金の引き上げを図っていく。その内容は定昇、ベア、一時金、手当など多様な選択肢から、各社の状況に応じて決めていくことを打ち出す」と説明した。従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)にも言及し、安倍晋三首相からの「4年連続ベア実現」と歩調を合わせる。来春の物価上昇を加味した「期待物価上昇率」については「付加的な要素として期待物価上昇率も労使の議論の対象にする」と表明した。
経団連幹部によると、賃金引き上げの前提となる企業業績について、今年までは「業績の改善した企業」としていたが、来年の方針では「業績の改善基調の企業」も追加し、賃上げが幅広く行われるようにする。さらに春闘指針での景気認識で「先行きの明るさ」を強調し、賃上げムードを醸成する考えだ。