もんじゅの後継炉、仏と共同に課題 資金・技術で負担大 知見獲得も不透明

 政府は廃炉を正式決定したもんじゅの後継高速炉について、フランスの実証炉「ASTRID(アストリッド)」との共同研究を軸に開発する。ただ、運営主体のフランス電力(EDF)と設計担当の原子力大手アレバは経営難に陥っており、日本が多額の開発費負担を迫られる恐れがある。技術面でも課題は多く負担に見合う知見が得られるか懸念が強まっている。

 2030年代の運転開始を目指すアストリッドは、商用炉の一歩手前となる実証炉で、原型炉であるもんじゅの次段階に位置する。

 ただ、東京電力福島第1原発事故の影響でフランスは原発依存度を引き下げる方針を決め、既着工の原発も安全対策費用の増加と工期延長を強いられている。フランス電力(EDF)の有利子負債は16年6月末時点で362億ユーロ(約4兆4300億円)に上るなど、財務状況の悪化は深刻だ。アレバも原子炉部門は17年中にEDFに売却される。

 仏政府がアストリッドの予算措置を講じるのは基本設計段階の19年まで。その後の資金調達は未定で、日本から可能な限り資金を引き出したいのが本音とみられる。政府は「折半はありえない」(経済産業省幹部)と拠出を抑えたい構えだが、仏側の出方待ちだ。

 技術面での最大の課題は原子炉の型の違い。日本が進めてきた「ループ型」の高速増殖炉は、配管に冷却材のナトリウムを流して原子炉を冷やす。アストリッドは「タンク型」と呼ばれ、燃料や機器が入った巨大なタンクごとナトリウムで満たし冷却する仕組み。

 タンク型は巨大タンクの耐震性を高めるのが難しく、電力事業者の技術担当者は「今の免震技術では対応できない」と懸念する。

 フランスが十分な技術的知見を日本に開示してくれるかも不透明で、政府関係者は「今後の交渉次第」と事業の不確実性を認める。