AIIB発足1年、人材確保に苦労 9事業17億ドル超を融資 (2/2ページ)

 ■高まる米の加盟観測 日本は戦略再考も

 単独融資は3件で、残りは日米が主導するアジア開発銀行(ADB)や世界銀行などとの協調融資だ。北京の国際金融筋は「既存の国際機関と競合せず、共存していく姿勢をアピールする狙いがある」と分析。同時に「単独で融資を審査する人材が集まっていない」ことも要因だと指摘する。

 中国メディアによると、発足当初の57カ国に加え、新たに25カ国以上が加盟申請中で、ADBの67カ国・地域を上回る見通しだ。

 だがアジア各地に拠点があり、3000人規模の職員を抱えるADBに対し、AIIBの陣容は現時点で「90人程度」(国際金融筋)。北京で本部ビルの建設が進むが、海外拠点はない。金融関係者は「他の国際機関と比べて給与などの待遇が見劣りする」とみる。

 米国のトランプ次期政権の出方も注目される。8月にはカナダが参加を表明し、先進7カ国(G7)で参加を見送っているのは日米だけとなった。香港紙によると、トランプ氏側近は米国が加盟していないのは「誤り」と指摘。米国が加盟するとの観測も高まった。

 中国の張高麗副首相は9月、日本の財界訪中団に対して、日本の参加を呼び掛けた。米国の出方によっては、AIIBと距離を保ってきた日本も戦略再考を迫られそうだ。(北京 共同)