
JR九州の上場セレモニーで打鐘する青柳俊彦社長=10月25日、東京都中央区の東京証券取引所【拡大】
減少の一因は、株式市場が波乱含みとなり、企業が新規上場する時期の見極めに影響を与えたことだ。
中国経済への不安や原油安で、日経平均株価は年初から大きく下落。2月には1万5000円を割り込み、前年末からの下げ幅は4000円を超えた。6月の英EU離脱ショックでは約16年2カ月ぶりの急落となり、年初来安値を更新。米大統領選でトランプ氏が勝利し相場の流れが変わるまでは、円高・株安基調が続いた。
上場審査の厳格化も影響している。14年12月に東証1部に上場したゲーム会社のgumi(グミ)がわずか2カ月半後に営業損益見通しを黒字から赤字に下方修正した「gumiショック」などを受け、東証の親会社の日本取引所グループ(JPX)は昨年3月、上場審査の強化や情報公開の拡大などを打ち出した。
企業と長く付き合って新規上場を支援する証券会社も近年は手綱を引き締めており、証券大手の役員は「候補の企業はたくさんあるが、業績評価などを念入りに行い、選別や絞り込みをしている」と話す。
新規上場の事情に詳しいクラウドファンディングの伊東修社長は「上場審査の厳格化が、7年ぶりの減少の主因になっている」と指摘。その上で、「新規上場には、企業が資金を調達し信用を得ることで、業容を拡大させていくという役割がある。過度な投資家保護が新規上場の障壁となるのは望ましくない。証券会社が投資家に対してリスクを丁寧に説明するとともに、投資家自身もリスクを把握した上での投資判断が求められる」と話している。