
11日、ニューヨークのトランプタワーで記者会見するトランプ次期米大統領(AP)【拡大】
トランプ氏は高関税が認められなければWTOから脱退も辞さない姿勢だ。世界一の経済大国を率いるトランプ氏が自由貿易体制の土台を否定すれば、多くの国が追随し、最悪の場合、保護主義の台頭による国際的対立が大戦を招いた悪夢の再来になりかねない。
他方、「ディール(取引)の達人」といわれるトランプ氏の恫喝(どうかつ)戦術に屈した形で米自動車大手フォード・モーターがメキシコ工場の新設を断念するなど、思惑通りに製造業の国内回帰が起き始めているのも事実だ。
特に対日交渉では、米国は1980年代の日米貿易摩擦でも日本製の輸入高級車に100%の関税をかけると脅し、日本勢から米国内への生産移管などを引き出した“成功例”がある。
メキシコ新工場の新設計画を批判されたトヨタ自動車の豊田章男社長は10日、ペンス次期米副大統領とワシントンで会談し米国経済への貢献を説明したもようだが、日本企業への圧力が止む兆しは一向にない。(田辺裕晶)