政府は19日、マイナンバーカードを活用した政府調達の制度整備に着手する方針を固めた。想定する仕組みでは、企業の担当者が電子入札書の提出時に、氏名などをカードからパソコンで読み取り、専用サーバーに登録。この担当者に、提出権を本来持つ社長がネット上で迅速に代理権を与えられるよう、20日召集の通常国会で新法を制定する。マイナンバーカードの利用促進と政府調達効率化の“一石二鳥”を狙う考えだ。
制度整備は2017年度に着手し、6月ごろまとめる成長戦略に盛り込む。政府や地方自治体が企業からモノやサービスを購入する政府調達を対象とする。
企業には、電子入札書の提出にあたり、パソコンのリーダーなどでマイナンバーカードを読み取り、住所、氏名、生年月日といった属性情報を登録する方法をとるよう求める。
現在、電子入札での属性情報登録にあたっては、企業の担当者は、認証機関から専用ICカードの発行を有料で受ける必要がある。マイナンバーカードなら無料発行でコストを抑えられる。すでに保有する人なら、改めて専用カードの交付を受ける手間が省ける。
また政府は通常国会で新法を制定し、この担当者に社長が入札書提出権を委任するむね証明した電子的な書類を、ネット上で発行できるようにする。
この書類は、新たに指定する取扱事業者のサーバーに登録し、政府が閲覧可能。これまで政府は代理権限を一目で確かめる方法がなく、企業と複数回連絡を取り合う手間がかかっていた。取扱事業者には、ネットで書類を送受信する「電子私書箱」を始めた日本郵便などを想定している。政府はこうした仕組みを整え、昨年12月時点で約8%の普及率にとどまるマイナンバーカードの利用を広げたい考え。「半数以上は紙の書類を使っている」(政府関係者)政府調達の入札業務のオンライン化にもつなげ、審査期間の短縮などにもつなげる。