
記者会見する小池百合子都知事=25日午後、都庁(酒巻俊介撮影)【拡大】
平成29年度予算案の一般歳出の中で「福祉と保健」が占める割合が過去最高に達した。待機児童解消を最重点目標に掲げる東京都の小池百合子知事の姿勢が色濃く反映された形だ。
東京の人口は37年をピークに減少に転じて高齢化が急速に進むとみられている。働き手が減る中で医療や介護などの社会保障経費は今後23年間、年平均で約300億~400億円で増加すると推計される。小池氏は32年までに待機児童の解消を掲げる。介護離職の食い止めも目指しており、超高齢化社会の到来を見据えた“攻め”の予算と捉えることもできる。
とはいえ、少子高齢化対策が実を結ぶには時間がかかるもの事実だ。全国知事会の調査では増加の一途をたどる未婚者が結婚しない理由で「出会いがない」が第一位に上がる。小池氏は産経新聞のインタビューで「未婚者の婚活にも力を入れていきたい」と話すなど、課題解決に向けて具体的な施策を実行に移すつもりだ。
また、予算案では外資系企業の誘致、観光振興策などの成長戦略を盛り込んだことも特徴の一つだ。
予算編成の前提となる「実行プラン」では、32年までに都に訪れる外国人観光客を27年の約2倍となる2500万人に増やし、都内GDPを94・9兆円(26年)から120兆円まで引き上げるなどの数値目標も設定した。
「現実の成果に繋がることが重要。予算をつけたところで終わりではない」。小池氏は25日の会見で予算編成は通過点であることを改めて強調した。東京五輪の会場見直しによる経費削減など、“旧来”の都政に切り込む姿勢で支持を集めてきた小池氏はこれから、行政のトップとして目標達成に向けた重責も担うことになる。(社会部 高久清史)