日銀は円安ドル高によって、輸出企業を中心に企業収益が回復し、収益の一部が賃金上昇に回ることで、人々が消費を増やし、結果として物価が上昇するという好循環を事実上目指している。トランプ氏の政策で今後円高ドル安が進めば、2%の物価上昇率目標の達成時期がさらに後退するリスクもはらむ。
10日の日米首脳会談で、為替レートへの言及があるのではないかとの警戒感も出ている。トランプ氏が2国間の貿易協定に通貨安誘導を制限する為替条項を導入する意向を示したからだ。貿易不均衡の是正を目指すトランプ氏から、足元で進む円安ドル高や日銀の金融政策に批判が飛び出せば、一転して急速な円高ドル安が進みかねない。
市場からは「日銀の金融政策が近い将来変更されるかどうかは、ひとえに為替次第」(みずほ証券の上野泰也氏)といった指摘も出ている。(永田岳彦)