
トランプ大統領=1月28日、ワシントン(ロイター)【拡大】
トランプ米大統領が1月31日、日本の為替政策を円安誘導と批判したことで、巨額の対米貿易黒字を抱える中国だけでなく、日本も「為替操作国」に認定される懸念が出てきた。トランプ氏は中国製品に45%の関税を課すと報復措置を予告しており、日本も標的になりかねない。米新政権が要求する2国間の通商協議でも焦点に浮上しそうだ。
トランプ氏は選挙戦で、中国の為替操作や企業への補助金が輸出価格を不当に安くしたと批判している。公約した就任初日の為替操作国認定は見送ったが、ドル高是正は諦めていない。
米国は貿易相手国が(1)巨額の対米貿易黒字(2)大幅な経常収支黒字(3)外国為替市場での持続的で一方的な介入-の全てに合致すれば為替操作国と認定し通貨政策の見直しを求める。従わなければ、操作国で行われる新規投資への政府系金融機関の資金支援を禁止するなど制裁を科し、報復関税の対象にもなり得る。
日本や中国は為替操作国“予備軍”である監視リストに名を連ねる。ただ、日本は円売り介入を平成23年以降行っておらず、「為替介入を恒常的に行っている中国とは立場が違う」(みずほ総合研究所の多田出健太主任エコノミスト)。
政府はこうした事情を説明し、理解を求める構えだ。ただ、トランプ氏の背後にはドル高是正で日本車の対米輸出を抑えたい米自動車大手の存在も指摘される。2国間協議では米国が日本に譲歩を求めるカードとして「為替問題で圧力をかけてくる」(通商筋)とみられ、警戒感が強まっている。(田辺裕晶)