財務省が8日発表した2016年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年比25.8%増の20兆6496億円だった。暦年の黒字額としては、比較可能な1985年以降で、07年に次ぎ2番目の高水準。08年のリーマン・ショック以降では最大。原油安による輸入額の減少で貿易収支が大きく改善したのが主要因で、日米首脳会談を前に日本の経常黒字の拡大が鮮明になった。
16年の地域別の収支はまだまとまっていないが、8日発表の16年7~9月期の実績は対米黒字が3兆315億円に上り、国別で首位だった。
16年の経常収支のうち、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は5兆5793億円の黒字で、6年ぶりに黒字転換した。輸出は8.5%減の68兆8853億円だったが、輸入は16.6%減の63兆3060億円と縮小幅が大きく、収支が改善した。旅行収支は1兆3391億円の黒字。金額は22.8%増えて、訪日客の消費の伸びが経常黒字拡大の一因となった。一方、海外投資の収益を表す第1次所得収支の黒字額は、昨秋までの円高で外貨の円換算額が目減りし、12.2%減の18兆1360億円だった。