トランプ米大統領は、安倍晋三首相との首脳会談で経済面での日本批判を手控えた。これまで不満を繰り返してきたドル円相場についても言及せず、対日貿易赤字への不満も示さなかった。ただ、米産業界では自動車産業を中心に日本の「為替操作」への不満や日本に市場開放を求める声は強く、トランプ氏の「日本たたき」が終わったとはいえないようだ。
首脳会談では、為替相場に関する協議を財務相レベルに委ねることで合意した。共同記者会見で安倍首相が日本の超電導リニア技術の米国への導入構想に触れると、トランプ氏は首相に向かって満面の笑みをつくるサービスもみせた。
一方、米自動車大手3社で作る「自動車政策会議(AAPC)」は9日の声明で、日米間で「為替操作を禁じる強制力があるルール」を作るよう要求した。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)離脱決定により日本市場開拓のチャンスを失った食肉業界は、日本との自由貿易協定(FTA)交渉入りを訴えている。米側は、経済対話の中でこれまでの主張を掲げ、日本に譲歩を強く迫ってくるとみられる。(ワシントン 小雲規生)