政府は、麻生太郎財務相とムニューチン米財務長官の初の財務相会談を、3月にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせて行う方向で調整に入る。トランプ米大統領が不満を抱く為替問題で、どこまで認識を擦り合わせられるかが焦点となる。
麻生氏は15日の衆院財務金融委員会で「最初に(ムニューチン氏と)会うのはドイツのG20のときになると思う」と述べた。安倍晋三首相は10日の日米首脳会談後に「為替は専門家の財務相間で緊密な議論を継続することになった」と説明していた。
これまでトランプ氏は、貿易赤字削減に向け相手国の通貨安批判を繰り返し、日本に対しても輸出増を狙った「円安誘導」だと攻撃。日本側は「通貨の競争的な切り下げを回避する国際的合意に沿って今後も対応していく」などと反論している。
麻生氏はムニューチン氏について「為替などが分かった上で話ができる人」と評価。日本側は初会談で、通貨安競争回避などを明記したG20合意を確認するよう働きかけるとみられる。