麻生太郎財務相は16日、ムニューチン米財務長官と初めての電話会談を行い、日米の経済発展に向けて緊密に連携していくことで一致した。3月にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で顔合わせすることも申し合わせた。為替問題を議論する可能性もある。
電話会談は16日午前10時ごろから約5分間、全て英語で行った。麻生氏は冒頭、ムニューチン氏の長官正式就任に祝意を表明し、「一緒に緊密にやっていきましょう」と呼び掛けた。注目された為替政策などに関する話題は出なかったという。
ムニューチン氏は米金融大手ゴールドマン・サックスの元幹部。長官就任前を含め、麻生氏と言葉を交わすのは今回が初めてとなる。同席した財務省幹部は会談後、記者団に「短時間だが、良い雰囲気だった」と述べた。
3月のG20で開催見通しの日米財務相会談では、円安ドル高への対応を含む為替問題をめぐり、日米間の温度差が浮き彫りになる可能性がある。日本側は円安誘導をしていないと主張し、通貨安競争の回避などG20での合意事項を改めて確認する構えだ。
一方、ムニューチン氏は、上院の委員会が1月に開いた指名承認公聴会で「強いドルは長期的に重要だ」と話したが、足元のドル相場に関しては「とても強い」とも言及。ドル高への牽制を今後強める可能性がある。