
アジアを中心に国内物流事業者の海外進出が加速している(ヤマトホールディングス提供)【拡大】
ドライバーの労働環境悪化も背景に、宅配便最大手のヤマト運輸が荷受量抑制の検討に乗り出すなど、国内物流をとりまく状況は不透明感が強まる。一方で海外市場はアジアを中心に中間層の所得向上とインターネット通信販売の普及で、大幅な需要拡大が見込まれる。クール便などの付加価値化も進むとみられ、日本の物流各社は海外展開を積極的に進める。
だが、アジアの新興国では「箱に氷を詰めただけ」(政府関係者)といった劣悪なサービスでもクール便として市民権を得ているのが実情だ。日系事業者が競争優位を発揮するには武器となる品質の高さを「見える化」する必要があった。政府は物流システムの国際標準化を進めることで、国際市場における主導権を握りたい考え。