つまり野党は、国民のために追及をしようという気がないとは言わないが、テレビ中継の入る予算委員会での質問は、自らのアピールの場としているだけだと受け取られても仕方ない。
予算案は、圧倒的な与党の多数により、時間がくれば成立する。そのため、与野党にとっては「消化試合」という扱いになっているのではないか。粛々と時間をこなす、そのために政府答弁者は、のらりくらりの答弁を、どんな野党の怒号に遭おうと、国民が不満でも、それを繰り返していればよいのである。もしそれが閣僚を含む政府全体の意向であるのなら、そんな政治を国民は信頼するだろうか。
ただ、予算委員会で扱うべきは「森友問題」だけではない。北朝鮮の不穏な動き、同盟国であるトランプ米政権の政策や、何より日本の経済状況の回復の遅さなど、議論すべき課題は山ほどある。しかし、まともな対応を取らないことで、この「森友問題」ばかりに時間が取られていることが、国民のためにならないことも事実である。
数の力を持ち、長期政権になりつつある安倍晋三政権は、今こそ国民に対する誠実な対応と緊張感が必要だ。政治は、国民の信頼の上に成り立つことを、特に政権にいる与党全ての議員に自覚してもらいたい。
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【プロフィル】細川珠生
ほそかわ・たまお 元東京都品川区教育委員。ラジオや雑誌でも活躍。父親は政治評論家の故細川隆一郎氏。千葉工業大理事。