【ロンドン=岡部伸】英国のハモンド財務相は8日、欧州連合(EU)離脱選択後初となる2017年度予算案を発表した。財務相は国民投票で離脱選択の影響は徐々に現れるとして、17年の経済成長率見通しは1・4%から2・0%に引き上げる一方、その後3年については引き下げた。また今月末までに通告して開始する離脱交渉に備え、財政規律重視の考えを示した。
17年の成長率予想は2・0%で、昨年11月時点の1・4%から大幅に上方修正。ただしEU離脱決定前の1年前の予想の2・2%は下回っている。その後18年は1・6%(11月予想1・7%)、19年は1・7%(同2・1%)、20年は1・9%(同2・1%)に引き下げられた。
また現会計年度から20~21年度までの借り入れが11月時点の予想から235億ポンド減る見通しとしている。
堅調な経済を背景に税収が予想以上に膨らむ見込みだが、離脱時にEUと自由貿易協定(FTA)が結べない事態などを想定。財務相は「財政赤字を削減する計画を実行に移す。われわれは拡大し続ける赤字を次世代に残すことはしない」と述べ、財政再建を着実に進める方針だ。
EU離脱により景気が減速した場合に備え準備基金を設立したいとの考えを表明。社会福祉費用を3年間にわたり20億ポンド増加させる計画も明らかにした。
また財務相は離脱後の競争力を維持するため、法人税率引き下げも選択肢とする考えを示唆している。