
中国共産党の習近平総書記のポスターの前で、笑顔の唐宗秀さん=2月6日、河北省阜平県(共同)【拡大】
阜平県が視察先に選ばれたのは、抗日戦争の拠点の一つで、国民党との内戦のさなかに毛沢東が重要会議を開いたからだ。「党は阜平県の貢献を永遠に忘れない」。習氏は視察に合わせて愛国心を鼓舞し、共産党による一党独裁の正統性を訴えるのを忘れなかった。
「習主席って誰だ。知らない」。阜平県に隣接する唐県の農村で、ごみの山をあさっていた男性(79)はそっけなく答えた。周囲の住宅は窓ガラスが割れ、家畜の糞尿(ふんにょう)の臭いが漂う。阜平県との落差は大きい。
農業の男性(81)は恣意(しい)的な貧困対策に冷ややかな目を向けていた。「阜平県が発展したのは国の金のおかげだ。こっちの生活は何も変わらない」(阜平県 共同)