
住友不動産が湾岸地区で開発を進める「東京ベイトリプルタワープロジェクト」の現場=東京都江東区【拡大】
都内や周辺の人気住宅街でも、決して値引きを行わなかった開発業者が値下げに応じるなど一部で異変が起きている。
以前は「販売状況が悪くても、それを価格で上回る物件が登場すると安く見えたので結果的に売れていた」(大手デベロッパーの開発担当者)が高額物件が出にくくなり、そうした楽観的な販売手法は通用しなくなっているという。
中古物件に向かう
「よほどひどい場所でなければ、3000万円台の新築マンションを販売すれば飛ぶように売れるはず」(同)。住宅取得の「実需ニーズに関してはかなり手応えを感じている」(野村不動産ホールディングスの沓掛英二社長)との強気の見方もあるが、マンション価格の高騰で1次取得者層は割安な中古市場などに向かっており、市場の景色は変わってきている。
郊外型マンションの場合、価格に占める割合は土地代2割で建築費8割というのが一般的だ。低金利環境の長期化という住宅購入の好機は続くが、建築コストが低下しなければ販売価格はなかなか引き下げられない。今後、新築マンションの購入を手控える消費者の動きは地価の動向にも影響を与えそうだ。(伊藤俊祐)