熊本地震被災地の目立つ地価下落 復興計画策定で一定の歯止めも

地震の影響で客足が遠のいた熊本県の黒川温泉=2016年5月
地震の影響で客足が遠のいた熊本県の黒川温泉=2016年5月【拡大】

 熊本地震の被災地では公示地価の下落が目立った。熊本市の一部などは影響を免れ上昇したものの、最大震度7を2度観測した益城町など被害が深刻な市町村が大幅下落し、熊本県平均を押し下げた。一方、被災自治体で進む復興計画の策定が下落に一定の歯止めをかけたとの見方もある。

 3000棟以上の家屋が全壊した益城町の住宅地は、前年と比較可能な3カ所の調査地点全てで下落し最大で6.9%に達した。商業地も6.2%落ち込んだ。

 町は昨年12月、東西に町を貫く県道の拡幅を柱とする復興計画を決定。熊本県によると、益城町のほか20市町村も計画を策定、または予定している。担当の不動産鑑定士は「復興計画が具体的に示されることで人口流出に歯止めがかかり、地価のさらなる下落は回避できた」と分析する。

 住民の受け止めは複雑だ。益城町の中華料理店主、本田達永さん(66)は店が全壊し、近くの仮設商店街で営業しながら再建を目指している。「なじみの客はみんな、仮設住宅に行ったりよそに移ったりしてしまった。計画はできても、復興はまだ遠い将来のことのように感じる」と話した。