【専欄】シェアバイクに未来はあるか ノンフィクション作家・青樹明子 (2/2ページ)

2017.3.30 05:00

 まさに発展中国を象徴するような急成長ぶりだが、問題はそう簡単ではない。

 まずは使用者のモラルである。レンタルの基本は、元の状態で返却することだが、未返却の例が後を絶たない。私物化してしまうわけだが、ペンキで色を塗り直し、鍵を付け替えて、子供用の椅子を取り付ける。これでは盗みだ。

 放置方法にも問題がある。公園の門の前に山積みされたシェアバイクは、まるで粗大ごみ収集場所のようだ。地下鉄の入り口近辺には使用後の車両が散乱し、歩行者が通行できない有り様である。途中で知り合いの車に遭遇したのだろうか、幹線道路の真ん中に放置された例もあり、交通の妨げとなっている。

 中国メディアは、シェアバイクの発展には3つの部門の協力が欠かせないと提言する。使用者、運営する企業、行政などの管理部門である。使用者のモラル向上は言うまでもないが、行政と企業が連携して、違反者への罰則も含めて、管理を強化させる必要もある。

 自転車シェアの成功で、今後は車やモーターバイクなどのシェアも必ず登場するだろう。

 シェア経済は“道徳経済”の側面も併せ持つ。中国だけの問題ではない。シェアという新概念は、世界規模で、現代人の民度が試されている。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。