
小田急相模原駅周辺では、アパートの空室が増えているという=3月、相模原市※写真と記事は直接関係ありません【拡大】
金融機関も、日銀のマイナス金利政策が収益の下押し圧力となる中、特に地方銀行が収益源として着目するようになった。アパートローンは競争が激しい住宅ローンに比べて高めの金利が見込めるためだ。
地銀はエリアを越えて拠点を広げる際、アパートローンを入り口とすることもある。銀行関係者は「通常融資は地場の金融機関がいて難しい。建設会社などに行きアパートを建てたい人を探している」と明かす。
家賃保証トラブルも
ただ、アパートローンを利用するのは担保がある富裕層が多いこともあり、物件の収益性を度外視し安易に貸し出しが行われているケースも少なくない。空室が多く、返済が滞るなどすれば、担保があるとはいえ、金融機関の財務にも悪影響が出かねない。
建築請負業者が提案書などを作成し、アパートローンを勧めることも多い。当初見込んだ家賃収入が得られなくなった大家と、家賃保証をした業者との間ではトラブルも起きている。
こうしたことから、金融庁は16年末から実態調査を実施し、銀行に融資審査で担保だけでなく事業の将来性を評価することなどを要請した。
日銀は金融機関への17年度の考査で、アパートローンの適切な審査や、組織的な採算性の検証が行われているかを点検する方針だ。