水産庁は29日、資源が減少している太平洋クロマグロ小型魚(30キロ未満)の漁獲枠のうち、今年1~12月の沖合漁業の上限量を現行の2000トンから1500トンに減らすと発表した。削減する500トンのうち250トンは30キロ以上の大型魚の枠に振り替え、残り250トンは突発的に小型魚が取れ過ぎた場合の調整に回す「留保枠」とする。
沖合漁業は大規模な巻き網漁が主力。国際的に乱獲が問題化して保護が重視されるのは主に小型魚であるため、国際機関の中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は昨年、小型魚から大型魚への枠の振り替えを認めることを決めていた。
クロマグロ小型魚の漁獲規制をめぐっては、6月末までの1年サイクルで管理する沿岸漁業が今期は豊漁となり、昨年の沖合漁業分と足し合わせた漁獲量が上限を突破した。水産庁は今後、沿岸漁業でも大型魚の比重を高められないかに関し関係者と協議するという。