アジア発着の貨物が増えるにつれて、コンテナ輸送でもアジアが世界の圧倒的なシェアを占めるようになってきた。中でも経済成長の減速にもかかわらず、貿易規模の拡大が続く中国関連の貨物をいかに取り込んでいくかが、各国船主の最大の関心事となっており、中国が文字通りコンテナ輸送の中心になりつつある。
昨年の世界コンテナ取扱量上位港をみると、トップ10のうち中国の港が7つ(香港港を含む)も占めている。このところ上海港のトップの座は揺るがず、このほか深センが3位、寧波・舟山が4位と続いている。
上海港では、上海市の東方沖30キロメートル付近に新たに建設された洋山港の伸びが著しい。2005年に第1期工事が完成し、5つのバースが営業を開始した。現在工事中の第4期工事が完成すれば、バース数は20を超える。とにかく沖合に位置するので、水深が深いという大きな特徴を持っている。
上海港が東アジアのハブ港になるには、トランシップ率を高める必要があろう。つまり周辺諸国の貨物を上海港に集め、そこで大型船に積み替えて東南アジアや欧州へと運んでいく。