元軍人に騙された韓国軍 偽物オイル納品であわや大参事 後を絶たない“悪のコラボ” (2/4ページ)

 フェイクの危険性

 同紙などによると、当該の潤滑油を使った空軍の航空機では機体の異常振動が発生したほか、エンジンのシリンダーヘッドに亀裂が発生するなどの損傷で、墜落を避けるため飛行を中断した航空機もあった。海軍のヘリコプターでも機体が損傷したという。また同会社の納品したさび止め剤を用いた艦艇では「推進制御装置や電子基板が溶ける現象が発生した」(聯合ニュース)。

 たかがオイル、と軽視はできない。第二次世界大戦時、米英連合軍は欧州戦線でドイツ軍の強力な戦車や戦闘機相手に楽ではない戦いを強いられた。その結果、戦場で直接対峙する前に叩こうという発想が生まれる。前線への列車輸送時に叩けば、いや戦闘機や戦車の工場を爆撃して完成前に潰してしまえばどうか。しかし工場はドイツ各地に分散している-。この発想は最終的に、ボールベアリング工場の爆撃につながる。ボールベアリングがなければエンジンが作れない。走れない戦車や飛べない戦闘機がいくらあろうが怖くない、というわけだ。潤滑油も、このボールベアリングと同じ類いの重要な戦略物資といえる。

 さらに捜査当局が追及している余罪のなかには、火力発電所の発電タービンに使う潤滑油を同様の手口で米国産に偽造したとの疑いも浮上している。現地メディアは「発電所に納品された潤滑油は、まだ使用されていなかった」としたうえで「実際に使用した場合、火災になる危険性が高く、もし火災が起きれば(一部地域が)大規模な停電など電力不足に陥る可能性があった」と指摘した。

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