工程や財源などについても不透明さを残した。小池氏は「詳しい日程等々は、それこそ市場関係者と詰めないといけない」「さまざまな方法を考え、ベストなワイズスペンディング(賢い支出)でいきたい」と独自色を出そうとしたものの生煮え感は拭えなかった。
質問の手は続々とあがっていたが、小池氏は「公務の都合」として計32分間の会見のうち質疑を約5分で打ち切り一礼して降壇。「知事、大事な問題なのでもう少し質疑応答をやりませんか」などと記者から会見の継続を求める声もあがったが、小池氏は口元に笑みをたたえたまま、無言で会見場を後にした。
小池氏は公務の後、報道陣に「定例会見でもしっかり答えたい。ただ豊洲に移せばいいという単純な議論ではないということで今日は提案させていただいた」と述べた。
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■森氏安堵感「やれやれ」
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、環状2号線を大会時の選手村と競技会場などを結ぶ幹線道路と位置づけ、築地跡地は関係車両の駐車場とする計画を立てており、小池百合子知事に早期決断を要望してきた。
森喜朗会長は「やれやれという気持ち」と安堵(あんど)感をにじませつつも、小池氏が「五輪前に開通させる」とした環状2号線について「どういうものかわからないと対応しようがない」とも述べ、具体的な整備計画の早期提示を求めた。また、「なぜこの結論を出すのにこんなに時間がかかるのか」とも語った。