
香港島のビクトリアピークから見下ろしたビル街(共同)【拡大】
◆国際金融の地位低下
中国は、この主張を「越えてはならない一線を越えた」(北京の外交筋)と認識している。習指導部にとって「一国二制度」による将来的な台湾統一は悲願。香港と台湾の「独立派」が連携姿勢も見せたことで、香港への締め付け強化に急激にかじを切った。
中国の急速な経済発展によって“金の卵”を産む国際金融センターとしての香港の地位は大きく低下し、中国との立場は逆転。優位な立場から、香港の独立主張は「飼い犬に手をかまれた感覚」(北京の大学教授)との発言も出る。
習指導部は今後、香港・マカオ・中国広東省で一体的な経済発展を図る「ビッグベイエリア発展計画」を推進するなど経済的に香港懐柔を図りつつ、統制を一層強めていく思惑だ。(香港、北京 共同)