
江戸の町並みを再現した千客万来施設のイメージ図(東京都のホームページより)【拡大】
豊洲から約2キロの築地に同じ食関連の再開発計画が浮上したことで、テナント募集に支障も出ており、万葉倶楽部側は「既に多額の経費を投じており、損害賠償請求も辞さない」(関係者)構えだ。
「万一撤退すると、豊洲移転そのものが駄目になる」と都幹部の一人は危ぶむ。新市場と一体となったにぎわいの場の創設は、移転に当たって都が地元の江東区に約束した条件だった。
都は、同社から土地の賃料として年間8000万円超、50年間の定期借地で計43億円以上の収入を見込む。開場後は赤字が見込まれる豊洲市場の収支は、撤退により、さらに悪化する恐れもある。
小池知事は21日の記者会見で、「千客万来施設は計画通り進めてほしい。(万葉倶楽部と)ここまで連携が薄かったことを反省し、納得いただける努力を重ねたい」と述べた。