【論風】問われる国土強靱化政策 九州北部豪雨、未曽有の「流木水害」 (2/3ページ)

 ◆亜熱帯型気候が現実に

 愛知県犬山市や秋田県大仙市で短時間記録的豪雨により、河川が氾濫し冠水被害が発生した。九州北部豪雨は線状降水帯によるものだったが、犬山市ではいわゆるゲリラ豪雨である。

 まだ記憶に新しいが、2014年8月に広島土石流災害、15年9月には鬼怒川氾濫による関東・東北豪雨災害、さらに昨年は北海道十勝地方を台風10号が直撃した豪雨災害が発生している。毎年のように全国各地で異常豪雨災害が相次いでいる。日本の気候はこれまでの四季折々の温暖な気候から、激甚な豪雨を局地的に降らせる亜熱帯型気候に変わってしまったといえる。しかし河川などのハード整備基準などは穏やかな気候を前提にしているもので、この激甚な気候変化に対応できていない状況が喫緊の問題となっている。

 東日本大震災を教訓に政府では13年12月に「国土強靱(きょうじん)化基本法」を施行し、翌14年3月に「国土強靱化基本計画」を策定、毎年「国土強靱化アクションプラン」を見直し策定している。この国土強靱化政策は有効に機能しているのだろうか。予算は効果的に適切に執行されているのか。

 過去の復興予算のように関係各省庁が寄ってたかって予算を獲得する総花的な机上の空論になってはいないだろうか。特に気候変動に伴って毎年のように襲っている水害リスクに対する対策は、広域避難や気象情報の最適化などのソフト対策に伴ってハード対策のレベルアップが必須になる。これには予算と時間がかかる。目前の問題解決と、一方での長期的な視点が図られているのか。

 首都圏など大都市も人ごとではない。現実に首都圏水没も危惧される。気候変動に伴う異常豪雨災害に重点を置いて国土強靱化に取り組まないと取り返しがつかない事態が発生する。今回の九州北部豪雨災害からそんな危機意識を感じているのは筆者だけだろうか。

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