【高論卓説】カタール断交から2カ月余り 国際舞台の攻防、解決への道筋見えず (2/3ページ)

 注目されるのは同長官が別途、「サウジの要求の一部は議論に値するが全てを同時に実行することはできない」「テロ資金支援問題で手の汚れていない国はない」と述べたことである。発言の前段はアルジャジーラ封鎖要求などがカタールの主権の侵害に当たる恐れがあることを指し、後段はサウジやUAEもシリアほかでイスラム過激勢力を支援していることを指している。米国は、焦点をテロ・過激派への資金供与を含む支援の終焉に絞り込むことでサウジ側とカタールの合意を引き出して当面の危機を終了させ、併せてテロ消滅というトランプ政権の主要外交目標の一つを達成してしまおうというわけである。

 米英の強い圧力を受けたサウジなどは7月18日、過激主義・テロと戦う誓約、対過激主義者・テロリスト資金支援の停止および安全地提供の停止、扇動的演説の中止などからなる6項目をカタールに新提示し、同意を求めた。内容が明らかに米国主導の調停工作に沿ったものであったことから、残る課題はテロや過激主義の定義、サウジなどとカタールの双方が確約する方向での合意作りに移るとの期待も一部では高まった。

 だが外交戦で勝利しつつあると見たカタールが7月24日、「断交などの封鎖解除が対話開始の条件」と述べ、強気の姿勢に転じたため4カ国側も姿勢を硬化させた。具体的には同30日の外相会議でカタールによる以下の受け入れが対話開始の条件と決定している。すなわち、テロ・過激主義支援の終焉宣言、他国内政不干渉の確約、対イラン断交、アルジャジーラ閉鎖を含む13項目要求の応諾である。特に、いったん取り下げたと思われた対イラン断交やアルジャジーラ閉鎖の要求を持ち出したことは、解決への道筋を再び見えにくくしてしまった。この夏以降の双方の国際舞台での攻防が注目される。

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