
借金帳消しや農産品の買い取り価格引き上げを求める抗議集会に参加した農民ら=首都ニューデリー(AP)【拡大】
こうした農民の生活苦から、インドでは州政府などによる債務免除措置が講じられることもある。インディアスペンドによると、16年度(16年4月~17年3月)は国内総生産(GDP)の2.6%に当たる3兆1000億ルピアの借金が免除された。
今年度に入ってからも北部ウッタルプラデシュ州で3636億ルピー、西部マハラシュトラ州で3000億ルピーの債務が免除となったほか、7月には首都ニューデリーに数千人の農民が集まり、借金帳消しと農産品の買い取り価格引き上げを求める大規模な抗議活動を行った。
こうした免除措置について、インド準備銀行(中央銀行)のウルジット・パテル総裁は「健全な融資文化を傷つける行為で、規律に悪影響を及ぼす」と否定的な見解を示している。
内務省によると、16年の農民の自殺者は1万1500人と前年よりも減少したもようだ。ラダ・モハン・シン農業相は「1人でも10万人でも、自殺はあってはならない」と強調したうえで、「理由はさまざまだが、解決策は農民の収入を増やす以外にない」と述べた。
インド政府は22年までに農民の年収を倍増させる目標を掲げ、灌漑(かんがい)設備の普及加速や上質な種子の提供といった措置を講じるとしている。収入増を実現して農民の不満を抑えられるか、政府の手腕が試される局面が当面続いていきそうだ。(ニューデリー支局)