国内製油所の生産性向上促す 経産省、法改正で再処理量義務付けへ

 経済産業省が製油所の生産性を高めるため、エネルギー供給構造高度化法の告示を10月上旬に改正する方針を固めたことが25日、分かった。付加価値が高く高収益の製品をより多く精製するよう求める内容で、石油元売り各社にさらなる投資と他社との連携を促す。

 原油を精製して主力製品のガソリンやプラスチックの原料となるナフサを取り出すと、重質油と呼ばれる残油が出る。専用の分解装置を使うとガソリンやナフサとして再処理できるが、そうでない場合は、収益性の低いアスファルトなどにしか使えない。

 告示では、2021年度までに製油所の取り組み状況に応じて再処理量を2~5%程度増やすよう義務付ける考えだ。分解装置の活用促進は製油所の収益性向上の鍵を握るが、経産省は国内石油元売りの設備導入が他国と比べて遅れているとみている。

 分解装置の稼働率に余裕がある他社の製油所との連携や設備増強を促進する狙いがあり、こうした取り組みには補助金を出して費用の一部を負担する。

 製油所は全国に22カ所あり、JXTGエネルギー根岸製油所(横浜市)や出光興産千葉製油所(千葉県市原市)など需要が大きい関東地方に多い。ピークの1983年3月末時点には49カ所あったが、国内のガソリン需要低迷などを背景に統廃合が進んでいる。

 高度化法は、製油所の国際競争力を高めるために09年に施行された。石油元売りの取り組みが不十分な場合、経産相が勧告や業務改善命令を出すことができる。経産省は国内各社の競争力を高めたい意向だ。

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