一方、デフレ脱却には賃金の上昇が欠かせない。
政府は経済界と労働界の代表と政労使会議を開き、賃上げを要請。大企業の賃上げ率は4年連続で2%を上回った。ただ、中小・零細企業を含め、上昇の勢いが強いわけではない。29年夏の大手企業などのボーナスも5年ぶりに減少した。
消費支出は下回る
GDPの約6割を占める個人消費は明るさが見えつつあるが、29年6月の1世帯あたり消費支出は26万8802円で、24年11月を下回った。29年7月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は7カ月連続で前年比プラスだが、日銀が目指す2%にはほど遠い。
安倍政権は経済再生と財政再建の両立を目指す。28年度の税収は24年度から10兆円以上増加したが、7年ぶりの前年割れになるなど足踏みもみられる。
日本総合研究所の湯元健治副理事長は「(アベノミクスは)円安で企業業績や株価を上げることに成功したが、過度に金融政策に依存してきた。やるべきは成長戦略で、潜在成長率を高める必要がある」と話す。国家戦略特区などを用いた規制緩和も道半ばだ。