住宅問題から戸籍問題までが解消され、生活補助金まで与えられる。それなら無理してまで「北上広深」で就職する必要はないではないかと思えてくる。
しかし問題はそう簡単ではない。まだまだ多くの地方出身者たちは「北上広深」で仕事する魅力を捨てきれない。
そんななか、アリババ集団の創業者・馬雲氏の言葉が印象的だ。アリババは、浙江省杭州市で創業した。北京でもなく上海でもない。
「北京は国有企業を好んだし、上海は外資系企業が多かった。しかし杭州は起業家、つまりゼロから始める人を尊んだ。民間企業が発展していくのを支持したので、優秀な人材が集まる結果となった。杭州は、起業家にとって良好な環境があり、未来へ向けて、力強く闘っていくという偉大な文化がある」
日系企業を含む外国企業も、「北上広深」に注目しがちである。しかし人材獲得戦争に参戦するということを考えれば、地方都市に進出するのも、ひとつの手段ではあるようだ。