ロシア極東の開発を目的とした「東方経済フォーラム」が6日、ウラジオストクで開会した。プーチン大統領や安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領が出席し7日に演説。日本は北方領土問題の解決などを図る狙いでロシアに昨年提示した8項目の経済協力をめぐり、エネルギーや都市開発など生活に直結する分野を軸に事業の具体化を進める。
今回のフォーラムでは、日露間で農業や教育分野などの合意文書を交わす。ビジネス環境改善の兆しがみられ「交流が多様になり、裾野が広がってきている」(経済産業省幹部)と指摘される。
日本に近い極東やシベリアでは、日本の技術力が生かせるエネルギーや医療、農業分野の投資が目立つ。ハバロフスクやサハ共和国では日本企業が野菜の温室栽培を展開。プラント大手の日揮はウラジオストクにリハビリ施設を開設する。
カムチャツカ地方で風力発電の実証実験を行った新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、今回のフォーラムで事業をサハ共和国などに拡大する覚書を締結。担当者は「地元企業と信頼関係を築いたのが大きい」と事業拡大に踏み込む理由を挙げた。
ロシアにとりアジア太平洋諸国との協力が期待できる極東の重要性は増しているが、開発が遅れ、煩雑な行政手続きや法整備の問題も外国企業進出の障壁となってきた。外交筋は「日本のビジネスを理解する人材育成や、ロシア企業との相互理解を進めることが今後の課題」と分析する。(ウラジオストク、東京共同)