【視点】米政権の対中通商圧力 「恫喝」で知財侵害を阻めるのか (2/3ページ)

 これに関連して日米欧が警戒しているのは、中国が2年前に定めた10年間の行動計画「中国製造2025」である。世界トップ級の製造強国になるための製造業の強化戦略だ。情報技術やロボットなどの重点産業を列挙すると同時に、シェア目標を掲げて国産技術の確立を目指している。

 問題は、その実現のため、政府による企業活動への不当な介入に拍車がかかる恐れがあることだ。技術移転の強要や国内産業の優遇が懸念され、在中国の欧州連合(EU)商工会議所などが批判している。

 無論、米国が日欧と連携して改善を求めるなら問題はない。そうではなく米国が独善的に振る舞うから、国際社会の批判の矛先は中国ではなく米国に向かうのだ。

 米政権が腰を据えて問題に対処するのかも判然としない。確かにトランプ氏は、中国の輸出攻勢で米製造業が衰退したと批判してきた。だが、実際には、経済を外交や安全保障などの取引材料としてきた。貿易面での最近の圧力も、北朝鮮問題での中国の対応に不満があるためだとされる。

 情勢次第で経済外交が揺れるからか、米国の政策は迷走している印象が強い。

 例えば、中国の過剰供給能力を起点とする鉄鋼製品のダンピング(不当廉売)への対応だ。トランプ政権は通商拡大法232条による輸入抑制策を検討中で、日本製品なども対象になる懸念がある。

そもそも鉄鋼と安保を結びつけることに無理がある

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