【eco最前線を聞く】森の探検や出張授業で次世代に「水育」 (2/3ページ)


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  • サントリーペプシコベトナムがハノイ近郊の小学校で実施した環境教育「水育」の講師の話に耳を傾ける小学生ら(サントリーHD提供)

 --森と水の学校のほかには

 「小学4~5年生が対象の『出張授業』だ。講師を派遣し、小学校の教室で行う。同プログラムは映像や実験を通じて、自然の仕組みや大切さを学ぶことができるように作られている。首都圏、京阪神、中京エリアを中心に06年の開始以来、8月末までの累計の参加者数は約12万人(1572校)にのぼる。水育は日本だけにとどまらない。当社グループの事業活動は世界に広がっており、環境活動についてもグローバルに推進していく必要がある。15年からベトナムで水育を開始した」

 国ごとの課題に合わせて

 --日本での水育との違いは

 「日本で行っている水育のプログラムを海外に持ち込むことはできない。国ごとに水に関わる社会的課題が水質汚染だったり、水不足だったり異なるためだ。ベトナムでは『水を汚さない、病気から身を守る』ことを学ぶ授業を行ったり、サントリーペプシコベトナム(ホーチミン市)の工場見学会を行うなど水質保全に取り組む姿勢を学ぶプログラムになっている」

 --ベトナム以外では

 「米ビームサントリー(米イリノイ州シカゴ)はケンタッキー州の蒸留所で、地元大学の専門家らを交えて水源保全活動を16年6月から展開している。また、オランジーナサントリーフランス(パリ近郊)は9月中旬、メジュー工場の近隣にある自然公園と提携し、今後、森林保全活動や子供向け環境教育プログラムの支援に乗り出す」

 --今後の展開は

 「グローバル化は急速に進んでおり、海外グループ会社も水への思いを共有する必要がある。こうした理念を共有するため、4月に海外グループ会社のCSR担当者を集めた会議を実施した。ただ、水資源の保全は国や地域によって施策が異なる。このため、現地の実態を把握しながら、海外での水資源の保全活動を広げていきたい」(松元洋平)