
安倍首相=22日午後7時53分、東京・永田町【拡大】
こうした状況下でのトランプ米大統領のアジア歴訪は大きな意味を持つ。最初の訪問国に日本を選んだのは、その後訪問する中韓両国に対して「北朝鮮でいかなる事態が起きても日米同盟は揺るぎない」というメッセージを込めたとみられる。
日本政府は衆院選期間中も北朝鮮包囲網強化に向け着々と布石を打ってきた。
中国政府に対し、複数の外交ルートを通じて中国独自の対北制裁を評価するメッセージを伝え、日米との同調を促した。その裏では「経済制裁の効果が薄ければ米国は軍事行動を早めかねない」との情報も流し続けた。日本政府高官は「中国も米国の本気度を理解し始めている」と明かす。
また、煮えきらない態度を続ける韓国政府だが、在韓邦人はなお6万人おり、北朝鮮有事になれば協力は不可欠となる。日米韓3カ国が一致して行動できる環境がどこまで整うかが今後の焦点となる。(田北真樹子、杉本康士)