【視点】北朝鮮危機 非戦闘員退避活動(NEO)に備えよ (3/3ページ)

 これは、日米間の約束事であるとともに人道上の問題だ。

 日本は民航機はむろんのこと、政府専用機を含む空自機を出せるのか。北朝鮮の暴発に備え、避難する人々を乗せた航空機を守ることを含め、自衛隊や治安機関を出動させるのか。

 さらに、避難してきた人々の入国審査や宿泊、食事、母国への帰国の手配などにも当たらなければならない。

 各省庁や自治体、治安機関、空港、航空会社、宿泊業界、医療機関などは自分たちが何をすればよいか、理解しておかねばならない。

 米軍事力行使の前提であるだけに、実際にNEOを始めれば、北朝鮮に対して「翻意する最後の機会だ」と、核・ミサイル戦力の放棄を促す強いメッセージともなる。このため、米政府はNEOの発動を、北朝鮮に強力な圧力をかける切り札として使おうとするかもしれない。

 朝鮮半島で戦火があがっていない段階で、日本は初めての「重要影響事態」に直面することになる。日本の政治はそのとき、果断を示すことができるだろうか。