海外情勢

アジアが世界経済に黄信号 コロナ抑制も一転再拡大で回復の重しに

 アジア太平洋地域はこれまで、世界のどこよりも新型コロナウイルスの感染拡大をより効果的に幅広く抑制してきたと考えられていた。しかし、ここにきて感染が再拡大している。世界経済の脆弱(ぜいじゃく)な回復が失速する恐れがあり、他地域にとって黄信号といえる。

 中国が7月下旬に発表した本土での感染症例は過去4カ月余りで最多となり、北京では3週間ぶりに新たな感染者が確認された。東京や香港、メルボルンもそれぞれ記録的な感染者数となっており、100日近くにわたって国内で新規感染者が出ていなかったベトナムも感染拡大と闘っている。

 ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「世界経済は危険な状態にある。今後数カ月のうちに世界経済がリセッション(景気後退)に陥らないようにするために重要なのは、継続的で積極的な金融・財政支援だ」と指摘した。

 経済状況は消費者信頼感がいかに迅速に回復し得るかに大きく左右される。旅行や観光は引き続き低迷しており、潜在需要が抑えられている。信頼感は新型コロナの抑制にいかに成功し、失業者がいかに早く職を見つけられるかに影響される。

 経済協力開発機構(OECD)の元チーフエコノミストでシティグループのチーフエコノミストであるキャサリン・マン氏は「消費者は2019年まで並外れたパフォーマンスと安定した雇用を牽引(けんいん)してきたため、世界経済は消費者が復活するまで不振となるだろう」と語る。

 ラジャン元インド準備銀行(中央銀行)総裁はDBSグループが主催したオンライン会議で、たとえワクチンが実用化されても、世界に行き渡るまで待つことになると指摘。「経済が全開に戻るのは早くて来年第2四半期または第3四半期になるだろう。今の世界では想像しがたいことだが、全てが予定通りに進んだとしてもだ」と述べた。(ブルームバーグ Enda Curran)

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