国内

国立大全てに輸出管理部署 中国の窃取念頭も、依存の実情

 中国による情報窃取を念頭に日本政府は大学からの技術流出に神経をとがらせるが、多くの先端技術の研究現場は「中国頼み」なのが実態で、外国企業との共同研究も貴重な資金源となっている。研究成果を重視する大学側は一律的な規制強化には消極的だ。

 三重大学が2016年に実施した国立大アンケートによると、大規模な大学では専門部署を設置しても「十分に運用ができていない」と回答したのが半数程度だった。輸出管理の知識がない教員が別の職務との兼任で担当を任せられているケースも多い。

 ある国立大准教授は、一斉メールや研修で輸出管理の注意喚起が増える一方「とにかく外部の研究室と交流しろと言われる」と大学側のちぐはぐな対応を指摘。背景には、人材、資金の両面で海外に依存せざるを得ない実情がある。

 日本の大学と外国企業との共同研究件数は、18年度は320件で14年の約1.5倍。金額面でも外資が提供する資金は日本企業と比べ「1桁違う」とされる。

 理系大学院に進む日本人学生が先細りになる中、優秀な中国人留学生らは研究継続には「お願いしても来てもらいたい」存在だ。東京大学の大学・大学院だけでも留学生は20年5月時点で4000人超、うち約6割が中国籍となっている。

 文部科学省は一連の規制強化について「研究成果が出ないようでは困る」とするが、経済安全保障と研究推進のバランスをどう取るか議論は始まったばかりだ。

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