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台湾近代化促した鉄道発展 日本統治時代の建物、博物館に修復

 台湾・台北市で、日本統治時代に鉄道部(鉄道省)が使用した建物が修復され、7月に「国立台湾博物館鉄道部パーク」としてオープンした。鉄道発展の歩みを通じて台湾の近現代史を学べる仕組みで、修復と展示計画に初期から関わった研究者は「当時の日本人は真剣に台湾の発展に取り組んだ」と評価。日本統治時代を含めた「台湾の歴史」を伝えていく。

 鉄道部の建物は台湾総統府など近代的建物を多く手掛けた森山松之助が設計、1918年に建設された。壁は朱色のれんが造りで屋根は褐色の木造。林一宏・アシスタント研究員は「森山の他の建築物と異なり、優しい装いが特徴だ」と話す。

 2007年に国定遺跡に指定され、14年に修復作業を開始。1990年代まで台湾鉄路管理局の庁舎だった間取りを維持し、現役当時の面影を色濃く残した。

 日本統治時代に進められた台湾西部の鉄道建設から、2007年の高速鉄道開通までを部屋ごとに時代を追って紹介する。各種車両の模型や復元したレトロな昔の駅舎、かつて使用された通信機器なども展示されている。

 目玉は1970~80年代の台北駅と周辺の街並みを再現した巨大なジオラマ。蒸気機関車とディーゼル車、電車という3種の列車が同時に走っていた様子を再現しており、模型が動くと子供やカメラを構えたファンから歓声が上がった。

 日本統治時代の35年に開催された台湾博覧会を紹介する展示場も設置。「台湾が産業やインフラ、衛生で大きな成果を上げていることを、各国代表団が称賛した」との解説が記してある。

 林さんは「鉄道の発展は移動時間を劇的に縮めた。日本統治は台湾現代化に重要な貢献があった。日本統治時代も含め全て台湾固有の歴史だ」と話し、新型コロナウイルス禍を乗り越えた後の日本人観光客の来訪に期待を寄せた。(台北 共同)

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